家族葬について誰もが一番不安になることは、葬儀の費用かと思います。
葬儀社に勤めている3年の中で、最も多いお客様からのお問い合わせ内容ランキング圧倒的1位です。誰であっても、大切な人の「もしもの時」が近づくと、どうしてもお金の不安は普段以上に大きくなるものです。
またインターネットでは、家族葬の費用について「予想よりとても高かった」「ぼったくられた」という意見がよく見られます。
この記事では、家族葬の費用の目安と詳細を知っていただくことで不安を解消できればと思います。また、無理のない範囲で納得のいく、満足度の高い家族葬を行うためのポイントも紹介しているので、よかったら参考にしてみてください。
この記事でわかること
- 家族葬の費用の目安
- 家族葬の費用の内訳
- 費用を抑えるポイント
今回も結論を先に申し上げます。
一般的に家族葬の費用は50万円から150万円程度です。
家族葬に限らず葬儀の費用は、地域や葬儀社、祭壇や料理等の内容によって全く異なるため、100万円以上の差異が生まれます。
「幅が広すぎて答えてない!」と思う方もいらっしゃると思いますが、残念ながらこれが実態です。
しかし、家族が希望するサービスの内容や項目ごとにおけるこだわりを決めておく事で、より詳しく費用の目安を予測する事ができます。
また、費用を抑える方法についてもお話ししますので是非最後まで読んでください。
家族葬の費用はなぜ決まっていない?
家族葬の費用が決まっていない事が多いのは、引き物や料理等人数によって変動する費用があります。引き物は実際に使った数の請求や未使用分の返金など、対応も葬儀社によって異なります。また、必需品を含めてあらゆるご要望に応えられるようグレードが複数用意している葬儀社が、ほとんどを占めています。例えば、無機質な白い骨壷ではなく、お花柄の物を選べば30,000円費用が高くなります。
このようにカスタマイズが可能であるゆえに、金額の差が大きくなっています。
家族葬の費用の内訳
家族葬の費用の内訳は大きく3つに分けられます。
- 葬儀社へ支払う費用
- 返礼品の費用
- 司式者費用(お布施)
これらの項目は、家族葬を行う際に、どの葬儀社でも必要になる費用です。ただし、家族が希望しない場合は、削減できる項目もあります。
わかりやすいように、細かい内容も含めて項目に沿って説明していきます。
1. 葬儀社に支払う費用
葬儀社に支払う費用は必需品とオプションに分かれています。
家族葬に最低限必要な物については地域や信仰、状況によって異なります。ただ、現在日本では圧倒的に仏教が主流なので、一例として仏教の葬儀で説明します。
必需品の代表的な項目
- 人的サービス(事務手数料や司会進行役)
- 寝台車、霊柩車
- 処置料(ドライアイスや保冷設備使用料)
- 写真
- 骨壷
- 棺
- 花、しきみ、さかき
- 飾りつけ(レンタル)
- 白木位牌
その他にも、葬儀社における葬儀の流れで必ず必要になるものもあります。
上記のものは基本的に無くすことは難しいです。
ただし、火葬だけであれば、人的サービス、霊柩車、棺、骨壷、ドライアイスまたは冷却装置があれば可能です。火葬だけの葬儀の事を「直葬」と言います。直葬については以下の記事で詳しく解説しています。
『直葬』とは?葬儀社経験者がメリット・デメリット・注意するべきポイントを解説
・オプション
オプションについては葬儀社によって、種類と金額が千差万別です。代表的なものは次の通りです。
- 会葬礼状
- 会葬品
- 通夜、忌中の料理
- 生花祭壇
- 納棺師による納棺サービス
- エンバーミング
- 写真撮影
その他にも様々なサービスを提供している葬儀社があります。家族葬の中でやりたい事が多ければ、それだけ費用は高くなります。
2. 返礼品の費用
返礼品とは、頂いたお香典に対するお礼の品物であり、半返しというルールがあります。
半返しとは、頂いたお香典の金額の半額を目安に品物を用意する事です。残りの半分は葬儀費用に充てることで、家族の負担を減らしたいという参列者の心遣いを尊重する文化です。
つまり、お香典をたくさん頂く程、家族の経済的負担は軽減されます。
コロナ流行前は100名以上が参列する式が多く、「慶事は赤字、弔事は黒字」という言葉通り、結果的に収支がプラスになる事も多くありました。
家族葬では参列者が少ないので、プラスになることはありません。しかし返礼品と料理を賄えるだけの金額になる事もあります。
参列者から頂いたお香典を使うことに罪悪感を持たれる方もいらっしゃるかと思います。しかし、それだけの人徳を亡くなられた方が集めていたからこその事です。参列者にとっても感謝や気遣いを表す大切な機会なので、頂いたお香典の半分は葬儀費用に充てるのがマナーです。
家族葬に招く方の範囲については以下の記事で解説しています。
家族葬はどこまで呼ぶ?友人・会社関係は参列できる?参列者の選び方を葬儀社経験者が解説
3. 司式者費用
家族にとって家族葬の費用の中で忘れがちなのが司式者費用です。司式者費用というのは仏教の式であればお寺様にお渡しする、お布施や御車代、御膳料をまとめたものです。他の信仰においても式の中でお勤めいただく司式者がいる場合は、基本的にお支払いします。
そしてお布施は葬儀社ではなく、司式者と家族が金額を決めて直接お渡しするのが基本です。
そのため家族が負担する葬儀費用に含まれますが、基本的に葬儀社の見積もりには含まれていません。
司式者費用について気になる場合は、基本的に葬儀社は介入できないので、家族が前もって確認しておくのがいいでしょう。
家族葬の具体的な費用の予算
上記の内容を見ても、葬儀経験のない方は想像がつかないと思います。そこで、3つの例を挙げて皆さんが、どのようなグレードの家族葬を希望しているのか考えてみてください。
- 控えめコース(50〜70万円)
- お花は遺影写真の前に少しだけ
- 白い骨壷
- 木製の棺
- 会葬品は家族、親族以外の方の分のみ
- お香典は後日金額に合わせた返礼品をお返し
- 式場や火葬場での食事は無し
- お得なコース(80〜100万円)
控えめコースを基本に、次の中から3つ選ぶ
- 祭壇用の大きな写真と豪華な写真の額
- 写真の前のお花を+15万円分
- 10万円以下の中から好きな骨壷の柄を選ぶ
- 15万円以下の棺の中から選ぶ
- 会葬礼状+会葬品はちょっといい物を人数分
- 食事は1回分で普通のコース
- 写真撮影やアルバムサービス
- 納棺サービス
- エンバーミング
- 華やかコース(140〜160万円)
次の中で好きなものを5つ選ぶ
- お花で祭壇を埋める
- 祭壇用の大きな写真と豪華な写真の額
- 5万円以上の中から好きな骨壷の柄を選ぶ
- 10万円以上の棺の中から選ぶ
- 会葬礼状と会葬品は好きな物を選んで余った分を後日お参りに来る方にもお渡し
- 料理はちょっといいコースを必要分
- 写真撮影やアルバムサービス
- 納棺サービスまたはエンバーミング
これはあくまで目安ですが、家族の希望次第で金額は予測することができます。また、どうしてもこだわりたい項目を、家族で話し合っておく事も大切です。ちなみに、このコースの中に司式者費用は入っていませんので、注意が必要です。
葬儀の費用を抑える方法
ここからは家族葬の費用を抑えるポイントをお伝えします。
葬儀は最短で行う
費用を抑えたいのであれば、できるだけ早く葬儀を行いましょう。日程が先延ばしになると亡くなられた方の姿が変化してくることに加え、ほとんどの葬儀社では料金が上がります。家族や親族のみの参列の場合、日程は多少無理をしてでも調整して、最短で葬儀を行いましょう。
無料会員登録やクーポンを利用する
多くの葬儀社は、独自の会員制度やクーポンの配布をしています。有料会員についてはしっかりと調べてからの入会をおすすめしますが、無料会員制度やSNS登録による無料クーポンは必ずチェックしましょう。
現在の葬儀業界は、コロナ流行以降に葬儀単価の相場は大幅に下がってしまい、いかに葬儀件数を成長させるかが重視されるようになりました。そのため、無料会員制度等による依頼確率の上昇、葬儀の事実上予約に積極的な葬儀社が多くなりました。
無料会員になっておく事で、知識や情報を獲得しやすくなるという利点もあるので、しっかりと有効活用していきましょう。
正直に予算や希望を伝える
費用を抑える効果的な方法として、葬儀社との打ち合わせは希望や予算を明確に伝えましょう。
葬儀社は慈善事業ではないので、できるだけ売上をあげようとしています。予算や希望が曖昧なままで打ち合わせをすると、お金をかけなくても良いところにも、かなりの金額が上乗せされてしまいます。
そのため、事前の相談や打ち合わせの際に、明確に上限を伝えましょう。その上でお金をかけたいところと不要なところをしっかりと伝えれば、不必要な部分で費用がかかることはないでしょう。
もし、それでも押し売りしてくる様であれば、見積もりにサインをせずに他社に乗り換えを検討しましょう。ただし、他社への乗り換えは費用や精神的な負担が大きくなりがちなので、事前の相談をして葬儀社の良し悪しを見極めておく事が、とても重要です。
必要なものが揃っているプランを利用
近年は、家族葬の内容によって複数のプランを作っている葬儀社も多くあります。家族葬のプランが複数用意されている場合、オプション費用が比較的抑えられる傾向があります。ただし、必要なものがしっかりと揃っているかどうか、事前の相談や見積もりを取って確認する必要があるので注意が必要です。
まとめ
これまでの説明をまとめると、家族葬の葬儀費用は一般的に50万円から150万円程度です。家族の希望によって大きく異なりますが、150万円程度あれば選択肢が多く、概ね希望通りの家族葬を行う事ができると思います。
また、事前に無料会員制度等を利用しつつ、葬儀の日程を先延ばしにせず、葬儀社との打ち合わせの際に希望や予算を率直に伝えましょう。
注意点として司式者費用は葬儀社の見積もりには含まれないため、別に準備しておきましょう。
費用について少しでも不安があるならば、インターネットでも対面でも構いませんので、必ず葬儀社に事前に相談して見積もりを取っておきましょう。正直なところ、見積もりを取って家族葬の相場を知っておかなければ、基本的にはぼったくられます。
下記のサイトでは、オンライン上で資料や見積もりの請求、家族葬の相場が調べられます。家族が希望しているオプションや返礼品の費用も問い合わせてみることをおすすめします。
最後に、大切な人との最後のお別れとなる家族葬は、やり直しができません。費用を抑えようとするあまり、後悔が残ってしまう家族もたくさん見てきました。しっかりと事前の相談で準備をしていれば、費用を抑えていても後悔の無いお見送りにできます。葬儀の知識を身につけて、大切な人の「もしもの時」に備えていきましょう。



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