直葬とは、通夜や葬儀などの式を行わず、火葬のみを行う葬儀形式のことです。近年は葬儀の小規模化が進み、家族葬とともに直葬を選ぶ方も増えています。
しかし、直葬にはメリットだけでなくデメリットもあります。直葬を選んでトラブルになった、後悔したという声もあるため、事前に特徴を理解しておくことが大切です。
この記事では、葬儀社勤務の経験をもとに直葬の流れ、メリット・デメリットをわかりやすく説明します。
この記事でわかること
- 直葬の流れ
- 直葬のメリットとデメリット
- 直葬を選ぶ時に注意するべきこと
直葬の流れ
はじめに、直葬は他の葬儀形式とは大きく異なるため、全体の流れを説明します。
直葬の基本的な流れは次の通りです。
- ご臨終
- 搬送・ご安置
- 火葬場の予約
- 火葬場でお別れ
- 火葬
直葬は、とにかくご安置から火葬までの期間が短いです。
直葬の場合、式場の予約は必要なく、基本的に火葬場のみ予約します。打ち合わせの内容も、決めることが少ないので比較的短時間で済みます。また、式の準備も必要がないので、最短で火葬場を予約する事ができます。
注意点として、葬儀社によってはご安置中の面会の制限がある場合があるので、家族の中で面会希望の方がいるならば、必ず葬儀社に確認しましょう。
直葬のメリット
直葬のメリットは次の通りです。
- 費用の負担が比較的少ない
- 葬儀の時間が短い
直葬の大きなメリットは、とにかく時間的・費用的に家族の負担が少ない事です。
メリット1. 費用の負担が比較的少ない
直葬は葬儀の式を行わないため、式で必要になる会場や飾り付け、返礼品が必要ありません。そのため、式を行う葬儀よりも大幅に費用を抑えられます。
ただし、火葬に必要な備品や事務手数料、火葬場のスタッフの費用等は必要になります。実際に、私がお手伝いさせていただいたお客様からは「思ったより高い」という意見がとても多いです。費用負担が少ないといえど、事前の相談や見積もり請求をしておくと安心です。
メリット2. 葬儀の時間が短い
直葬は葬儀の式を行わないので、拘束時間が短いです。火葬場での短いお別れと火葬のみになるので、大体1〜2時間程度です。そのため家族の日程の調整がしやすい等のメリットがあります。
直葬のデメリット
直葬のデメリットは、次の通りです。
- 司式者とトラブルになる可能性がある
- お別れの時間が短い
- 故人を送り出す儀式としての意義が薄い
直葬は他の葬儀形式とは大きく異なるため、デメリットを知らない事や家族に共有していなかった事がトラブルのきっかけになるケースをたくさん見てきました。一つずつ詳しく説明しますので、直葬を検討している方は、必ず確認してください。
デメリット1. 司式者とトラブルになる可能性がある
直葬は、お付き合いのある司式者がいる場合、司式者の承諾が必要になります。これを知らずに、司式者の承諾を得ずに納骨する時にトラブルになる事がとても多いです。お付き合いのある司式者というのは、基本的に納骨先の土地を持つお寺や神社を指します。仏式の場合、お寺を「菩提寺」、お墓を引き継いでいる家族を「檀家」と呼びます。
お付き合いのある司式者がいる場合、基本的には直葬はできません。ただし、やむを得ない理由があれば、後日ご供養していただく前提で承諾をいただくこともできる場合があります。
司式者に相談せずに直葬を行なってしまい、納骨を拒否されることや葬儀のやり直しを求められることでトラブルに発展し、結果的に家族の時間や費用の負担が大きくなってしまうケースも少なくありません。
司式者との付き合いがある方、菩提寺がある方は、事前に相談しておくことを強くおすすめします。
納骨先が霊園や公園墓地、合祀墓等であれば基本的には問題ありません。
デメリット2. お別れの時間が短い
直葬は、お別れの時間が短いです。
葬儀当日のお別れの時間は5〜15分で、火葬場によって異なります。棺の蓋を開けて副葬品を入れる事ができない火葬場もあるので、注意が必要です。
また式の準備が必要ないため、葬儀当日までの日も短い傾向があります。そのため十分な心の整理がつかないまま、亡くなられた方とお別れしなければならない事もあります。
家族の希望があれば、葬儀当日までの日を延ばして気持ちの整理の時間や霊安室でのお別れの時間を設けることができる葬儀社もあります。
デメリット3. 故人を送り出す儀式としての意義が薄い
直葬は、亡くなられた方の火葬という義務を果たすための葬儀の形式です。そのため、亡くなられた方への感謝や想い、人柄を形に表す事や、亡くなられた方が来世でも苦労がない様に供養する事は、十分にできない可能性が高いです。葬儀は亡くなられた方のためだけではなく、家族のためのものでもあります。費用を懸念して直葬でいいと言う方がいても、家族の気持ちも大切なので、安易に決めてしまうと大きな後悔につながってしまいます。
まとめ
直葬は他の葬儀の形式とは大きく異なっていて、内容やルールを知らないことが大きなトラブルを招きかねません。そのため直葬を選ぶ際は、立ち会う家族全員で次の事項を必ず確認しましょう。
- 菩提寺がある場合は必ず事前に相談する
- 火葬場の時間制限やルールを確認する
- 家族で相談してそれぞれの気持ちを尊重する
また、負担の少なさに飛び付かず、直葬におけるメリット・デメリットをしっかりと理解して、後悔のないように選びましょう。
最後に、直葬であっても家族の感謝や気持ちがないということは、全くありません。近年は直葬の増加を受けて、多くの葬儀社で直葬であっても追加できるオプションもあります。亡くなられた方に何かしてあげたいという気持ちがあるのであれば、葬儀社に相談してみましょう。


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